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くる1 【来る】

(動カ変)
[文]カ変 く
[1]話し手のいる方へ近づく。
(ア)(話し手と動作者とが別の場合)話し手が今いる場所、または話し手の領域にやってくる。自分のいる方に接近・到着する。

こっちへこい

客がくる

やっと電車が
(イ)(話し手と動作者とが同一の場合)話し手の今いる地点を現在以外の時に訪れる。やってくる。

一〇年前に一度たことがある

この道はいつかた道

あしたまたくる
[2]動作者が、話し手とともに移動する。目的地に自分を置いた気持ちでいう場合には「行く」で表現することも可能。

映画を見にいく所なんだけど一緒にないか

あしたのハイキング、あの人もくる
[3]物が運ばれて、話し手のもとに到達する。

ミロのビーナスが今度また日本にくるそうだ

やっと返事が

先月発注した品物がまだない
[4]風・光などが話し手の方に到達・接近する。また、地震・雨などの自然現象が話し手のいる場所に起こる。

いい風がくる

電波のくる方向にアンテナを向ける

このへんで一雨てくれるといいのだが
[5]時間が経過して、その季節・時期・順番になる。

春が

もうすぐ返済の期限がくる

やっと私の番が
[6]ある事態が出現する。
(ア)事態が進行して、ある段階にたち至る。

体力はもう限界にている

交渉は土壇場にて難航している
(イ)(「そこへきて」「…の所へきて」の形で)ある悪い事態の上にさらによくない事態が積み重なる。そこへ持って来て。

毎晩残業でくたくただ。そこへてこの暑さだから参った

もともと二月は客の少ないところへてこの大雪だ
[7](「…からくる」の形で)…がその由来・原因となっている。…のために生ずる。

心のゆるみからくる事故

風俗習慣の違いからくる誤解

英語からた外来語
[8]ある特定の位置を占める。

句読点が行の頭にないようにする

本の目次は普通最初にくる
[9]病気・故障・劣化などの異常が肉体や物のある部分にあらわれる。

しびれがくる

今年の風邪は胃腸にくる

体のあちこちにガタがくる

飽きのない色と柄

かびがた餅
[10]電気・電話・鉄道・水道などが話し手の方へ通じる。

村に電気がくる
[11]ある知覚・感覚が生じる。

鼻にツンとくるにおい

手にびりっと

頭にぴんと

胸にじいんとくる

かちんとくる物の言い方

どうもしっくりない
[12](「よしきた」の形で)承知した。

よした、まかせておけ
[13](「…ときたら」「…ときた日には」「…ときているから」などの形で)あるものを話題にとりあげて示す。

うちの亭主とたら

うまい上に安いとているから、いつも満席だ

鯛の刺身に灘の生一本とた日には、こたえられないね
[14](「頭にくる」の形で)立腹することを俗にいう。

また遅れてきたので頭に
[15](「…にくる」の形で)ある人を慕う気持ちがおこる。

是れ程我等にくる事、何とも合点がゆかぬ〔出典: 浮世草子・一代女 1〕
[16](「腹がくる」の形で)空腹になる。

少し腹がたわえ〔出典: 洒落本・通言総籬〕
[17](補助動詞)
動詞の連用形またはこれに「て(で)」の付いた形に付いて、動作が進行し、また、事態が推移する意を表す。
(ア)話し手の方へ向かって動作が行われ、その話し手の方へ近づく意を表す。

少年がこっちへ走って

蜂が飛んで
(イ)(戻ることを前提にして)動作が行われる意を表す。動作の実現・完了に重点が置かれる場合もある。

ちょっと見てくる

うちへ帰ってカバンを置いてくる
(ウ)ある事態が出現し、またある現象が現れる意を表す。

生まれてくる子供のために

なくした本が出て
(エ)動作が継続・反復されて現在に至るまで続く意を表す。

生まれてからずうっとこの村で暮らして

いつも、ひとに迷惑をかけるな、といってたはずだ
(オ)事態が進行してある段階に至る意を表す。

眠くなって

沖へより潮満ちらし〔出典: 万葉 3642〕
[18]行く。目的地を基準にしていう。

富士の山びに我がなばいづち向きてか妹が嘆かむ〔出典: 万葉 3357〕
(句)来(き)と来(く)
[ 大辞林 提供:三省堂 ]
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